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update:2023.11.14

2023年11月12日(日)開催『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』20周年記念上映&トークショー公式レポート

TVシリーズ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』が2003年11月の最終話(第26話)初回放送からこのたび20周年を迎えるにあたり、バンダイナムコフィルムワークスの映像レーベル「EMOTION」40周年記念企画「EMOTION 40th Anniversary Program」として、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の20周年記念上映&トークショーを2023年11月12日(日)に開催いたしました。

イベントには、主人公・草薙素子の右腕・バトー役の大塚明夫、さらに本作の監督・シリーズ構成を務めた神山健治監督のお二人が、特別にセレクトされたシリーズ4話を上映した直後の熱気冷めやらぬ攻殻ファンの前に登壇!シリーズ最新作となる映画『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』の公開を直前に控える中、お二人にはこれまでのシリーズ20年の歴史を振り返っていただきながら、改めて本シリーズの魅力について語りました。

EMOTION 40th Anniversary Program『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』20周年記念上映&トークショー概要

日時:11月12日(日)トークショー13:30~14:00※上映後イベント

登壇者(敬称略):大塚明夫様(バトー役)、神山健治(監督・シリーズ構成)

場所:新宿ピカデリー シアター3(新宿区新宿3丁目15−15)

 

 

バンダイナムコフィルムワークスの映像レーベル「EMOTION」の40周年企画、EMOTION 40th Anniversary Program『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』20周年記念上映&トークショーが11月12日(日)、新宿ピカデリーで開催され、声優の大塚明夫と本作の監督&シリーズ構成を務めた神山健治監督が満員のファンの熱い拍手に迎えられ登場した。

この日のイベントのために特別セレクトされた、第1話「公安9課 SECTION-9」、第2話「暴走の証明 TESTATION」、第10話「密林航路にうってつけの日 JUNGLE CRUISE」、第12話「タチコマの家出 映画監督の夢 ESCAPE FROM」上映直後の登壇。ファンで埋め尽くされた満席の会場を前に大塚は「短いような早いような不思議な感覚。当時は42歳くらい?自分も若かったなと思う」と20周年というアニバーサリーにしみじみしていた。

一方、当時37歳だったという神山監督は「この作品に関しては不思議な感覚があって、体感的には実数の3倍くらい。15年くらい本作に関わっていた気がする。でも振り返ると一瞬。この作品は僕にとってデビュー作のようなものなので、大塚さんら凄い人を前に自分でアフレコを仕切りながら、なんて恵まれているのだろうかと思いながらブースにいました」と特別な作品であると打ち明けていた。

主人公・草薙素子の右腕、バトーを演じた大塚。収録当時を「神山監督からは“押井さんの作品(『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』)よりも弾んでいる感じで”と言われたので跳ねながら芝居した思いがある」と思い返しながら、司会の「バトーはヒロイン」とのコメントに「バトーは『ベルサイユのばら』でいうところのアンドレというイメージだ」と笑いを交えて、持論を展開。

また、大塚は神山監督について「目には見えないセンサーが張り巡らされている感じがして、それがなんかすげえなと(笑)。公安9課の課長・荒巻大輔がどこかそんな感じがするけれど、神山監督にもその空気感があった。この作品を作り上げるぞ、という意志の強さを感じました」とリスペクト。神山監督も「攻殻機動隊」という重責について「この作品を自分でディレクションできるというワクワクしかなくて、アドレナリンが出まくっていた。だから周りがゆっくり動いているように見えたのかも。車を運転中にも次の話のヴィジョンが頭に浮かんで、それをメモしてスタジオに行くくらいだった」と充実した日々の様子を思い出していた。

当時アフレコ収録の度に渡されていた『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の脚本は光り輝いて見えていた、というのは大塚。「台本をもらうのが楽しくて、それは他のキャストも同じでみんなワクワクしていた。キャスト同士で意見をぶつけ合うわけではないけれど、お互いどんな風に演じるのか探り合う感じでやってみると『そうなるよね?』みたいな。まるで公安9課をチームでやっている感があって楽しかった」とクリエイティブなアフレコ収録の様子を紹介していた。

最後にバトー役の大塚は「これだけの作品に携わり、物語の中枢にいられたことに喜びを感じています。バトーは自分の人生においてとてつもなく大きな役ですが、アニメを作るのには時間もかかりますので、もし次やるとしたら70歳くらいかな?と思うと、もしかするとこれが最後になるのかなと毎回感慨深く思うことがあります。それくらい大好きな作品を演じられて、そして皆さんに応援していただけて…本当にありがとうございます」と感無量。すると神山監督は「自分が次の攻殻機動隊を作ることがあるのなら、それがどんなに先になっても、僕は大塚さんや田中敦子さんはじめ皆さんがいる限りキャスティングするし、皆さんのその歳に演じられるバトーや草薙素子の脚本を書くつもりです」と話し、その言葉に大塚は「いま、鼻の奥がツーンとしました」と感極まりつつ笑顔を見せ、イベントは大盛況のうちに終了した。